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(制作途中)東海道・山陽新幹線と九州新幹線をまたいだ特急券に関する規定

注意:本記事は現時点で未完成です。ご了承ください。

 2011年3月12日に開業した九州新幹線は、従来のあらゆるJRグループの会社間で運転されてきた急行列車*1と異なり、他社に直通する列車であっても会社境界たる博多駅で料金通算を打ち切ることを基本的な考え方として料金設定がなされた。これはその後開業した北陸新幹線北海道新幹線においても引き継がれているが、本記事ではとりわけ複雑な東海道・山陽新幹線九州新幹線をまたいだ特急券について、条文にあたって解説を行う。

 

1.総論

 さきほどは博多駅で料金計算を打ち切ると記述したが、特急券自体は1枚で発売される。根拠規定は旅客営業規則(以下、単に「規則」)第57条第1項柱書である。

旅客営業規則第57条第1項柱書

 旅客が、急行列車に乗車する場合は、次の各号に定めるところにより、急行列車ごとに特別急行券又は普通急行券を発売する。

 1本の急行列車である以上、博多駅を境界として計算を打ち切るにせよ1枚の急行券を発売するということである。博多駅を含む途中駅の改札内で新幹線を乗り継ぐ場合も、以下の通り同様に1枚の特急券を発売する。

旅客営業規則第57条第7項

 第1項本文の規定にかかわらず、旅客が東京・博多間及び博多・鹿児島中央間の新幹線の2個以上の特別急行列車に乗車する場合(のぞみ号又はみずほ号(以下これらを「のぞみ号等」という。)を乗り継いで乗車する場合及びのぞみ号等とのぞみ号等以外の新幹線の特別急行列車とを乗り継ぐ場合を含む。)であって、駅において出場しないで乗継ぎとなるときは、全区間に対して別に定める特別急行料金により1枚の特別急行券を発売することがある。この場合、指定席特急券の発売にあたっては、乗車区間の一部について座席の指定ができない場合であって、その区間立席特急券、自由席特急券又は特定特急券を発売する区間であるときは、当該区間について座席を指定しないで発売することがある。また、立席特急券の発売にあたっては、別に定めるところによりその一部区間について乗車する列車を指定しないで発売することがある。

 これにより、東京・小倉間と新鳥栖鹿児島中央間との新幹線停車駅相互間を新幹線に乗車する場合、1枚の特急券が発売されることになる。

 博多をまたぐ新幹線特急券についての特急料金の規定は、

  • 規則第125条第1項第1号イ(イ)f :指定席特急券
  • 規則第125条第1項第1号イ(ロ)d :立席特急券
  • 規則第125条第1項第1号イ(ハ)d :自由席特急券
  • 規則第125条第1項第1号イ(ニ)e :特定特急券(のぞみ号・みずほ号利用の場合)

に存在する。ただし、2011年3月12日以降現時点まで立席特急券が発売される列車が東京・鹿児島中央間で運転されたことはないため、立席特急券については本記事では取り扱わない。また、規則第125条第1項第1号イ(ニ)b~dでは、小倉・新鳥栖・久留米発着の場合の特定特急券の料金が規定されている。このような規定が置かれている理由については後述する。

旅客営業規則第57条第1項第1号

  1. イ~ハ 省略
  2. ニ 特定特急券
    次に定める区間を、特別車両以外の座席車又は第13条第3項の規定によりB寝台を設備した寝台車に乗車し、自由席(自由席のない列車にあっては、指定席)を使用する場合に、乗車できる列車及び乗車区間を指定し、特定の特別急行料金によって、座席の使用を条件としないで発売する。ただし、(イ)のjに定める区間にあっては、乗車する日、特別車両以外の座席車及び座席を指定して発売することがある。
    1. (イ)新幹線
      1. a 隣接駅間(九州新幹線*2及び郡山・福島間を除く。)及び以下の区間
        (省略)
        博多・久留米間
        (書略)
      2. b 東京・新下関間の新幹線停車駅と新鳥栖駅又は久留米駅との相互間
      3. c 小倉駅筑後船小屋鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間
      4. d 小倉・新鳥栖間及び小倉・久留米間
      5. e 東京・博多間を運転する特別急行列車のぞみ号(以下「のぞみ号」という。)又は新大阪・鹿児島中央間を運転する特別急行列車みずほ号(以下「みずほ号」という。)に乗車する場合(第7項の規定により特別急行券を発売する場合を含む。)の新幹線停車駅相互間(博多・鹿児島中央間の新幹線停車駅相互間及びaからdまでに定める区間を除く。)
      6. f~j 省略
    2. (ロ)~(ハ) 省略

 

旅客営業規則第125条第1項

大人急行料金は、次の各号に定めるとおりとする。

  1. (1)特別急行料金
    1. イ 新幹線
      1. (イ)指定席特急料金(特別車両以外の個室に乗車する場合は、1人当りの料金とする。)
        1. a~e 省略
        2. f 東京・小倉間の新幹線停車駅と新鳥栖鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間を乗車する場合に発売する指定席特急券(第57条第7項の規定により発売するものを含む。)に適用する指定席特急料金
          1. (省略)
        3. g~j 省略
        4. (ロ)立席特急料金
          1. a~c 省略
          2. d 東京・小倉間の新幹線停車駅と新鳥栖鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間を乗車する場合に発売する立席特急券(第57条第7項の規定により発売するものを含む。)に適用する立席特急料金
            東京・博多間の乗車区間に対してa又はbの規定により計算した額と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対してa又はcの規定により計算した額とを合計した額とする。
          3. e~g 省略
          4. (ハ)自由席特急料金
            1. a~c 省略
            2. d 東京・小倉間の新幹線停車駅と新鳥栖鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間を乗車する場合に発売する自由席特急券(第57条第7項の規定により発売するものを含む。)に適用する自由席特急料金
              東京・博多間の乗車区間に対してa又はbの規定により計算した額と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対してa又はcの規定により計算した額とを合計した額とする。
          5. (ニ)特定特急料金
            1. a 第57条第1項第1号ニの(イ)のaに定める区間に対する特定特急料金
              1. (a)当該区間営業キロが50キロメートル以下の場合
                880円とする。ただし、東京・大宮間にあっては、1,090円とし、北海道旅客鉄道会社線内にあっては、1,330円とし、東海旅客鉄道会社線内、西日本旅客鉄道会社線内(北陸新幹線を除く。)及び九州旅客鉄道会社線内にあっては、870円とする。
              2. (b)当該区間営業キロが50キロメートルを超える場合
                1,000円とする。ただし、北海道旅客鉄道会社線内にあっては、1,520円とし、東海旅客鉄道会社線内及び西日本旅客鉄道会社線内にあっては、990円とする。
            2. b 第57条第1項第1号ニの(イ)のbに定める区間に対する特定特急料金
              東京・博多間の乗車区間に対する別表第2号ツに定める額から530円を低減した額と博多・新鳥栖間又は博多・久留米間に対してaの規定により計算した額とを合計した額とする。
            3. c 第57条第1項第1号ニの(イ)のcに定める区間に対する特定特急料金
              小倉・博多間に対してaの規定により計算した額と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対する別表第2号ウに定める額から530円を低減した額とを合計した額とする。
            4. d 第57条第1項第1号ニの(イ)のdに定める区間に対する特定特急料金
              小倉・博多間に対してaの規定により計算した額と博多・新鳥栖間又は博多・久留米間に対してaの規定により計算した額とを合計した額とする。
            5. e 第57条第1項第1号ニの(イ)のeに定める区間に対する特定特急料金
              (ハ)に定める額から、東京・博多間ののぞみ号等の自由席に乗車する区間に対する別表第2号ネに定める額と同区間に対する別表第2号ツに定める額との差額を差し引いた額とする。
            6. f~j 省略
    1. ロ~ハ 省略

(2) 省略

 なお、規則第57条の3第5項では、新大阪・小倉間と新鳥栖鹿児島中央間の新幹線停車駅相互間の指定席特急券は、「特定の特別急行料金」により発売するとされている。

旅客営業規則第57条の3第5項

 旅客が、新大阪・小倉間の新幹線停車駅と新鳥栖鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間を乗車する場合(新幹線の2個以上の特別急行列車を乗り継いで乗車する場合を含む。)は、全区間に対して特定の特別急行料金によって指定席特急券を発売する。

 ここまでの内容を踏まえ、この先本記事では

の順に場合分けすることにより、料金の計算方法を中心として関連する事項について触れていく。

2.小倉・新鳥栖・久留米を発着駅に含まない自由席特急券・特定特急券

 自由席特急料金については、規則第125条第1項第1号イ(ハ)dによって計算される。すなわち、「東京・博多間の乗車区間に対してa又はbの規定により計算した額と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対してa又はcの規定により計算した額とを合計した額」であるが、規則第57条第7項が適用される、すなわち改札内での乗り継ぎがある場合であるbもcも結局はaにより計算すると規定されており、aは通常期指定席特急料金を定めた別表第2号の表を参照した上で530円引きすることを定めている。そのため、東京・博多間の自由席特急料金と博多・鹿児島中央間の自由席特急料金の合算額が発売額となる。

 特定特急料金については詳細を省くが、東京・博多間のみの場合と同様に自由席特急料金と同額で発売されることになる。

旅客営業規則第125条第1項第1号イ(ハ)

  1. (ハ)自由席特急料金
    1. a b、c及びd以外の自由席特急料金
      別表第2号ツ、ネ、ナ、ラ、ム、ウ、ノ及びオに定める料金から530円を低減した額とする。
    2. b 第57条第7項の規定により東京・博多間の新幹線の2個以上の特別急行列車に乗車する場合に発売する自由席特急券に適用する自由席特急料金
      1. (a)のぞみ号等以外の新幹線の特別急行列車を乗り継いで乗車する場合又はのぞみ号等を乗り継いで乗車する場合
        aの規定により計算した額とする。
      2. (b)のぞみ号等とのぞみ号等以外の新幹線の特別急行列車とを乗り継いで乗車する場合
        区間に対する別表第2号ツに定める額と、のぞみ号等の自由席を使用する区間に対する別表第2号ネに定める額から同区間に対する別表第2号ツに定める額を差し引いた額とを合計した額から530円を低減した額とする。この場合、のぞみ号等の自由席を使用する区間が複数となるときであって、最初にのぞみ号等の自由席を使用する区間から最後にのぞみ号等の自由席を使用する区間までの間を通じた区間をのぞみ号等の自由席使用区間とみなして計算した額が、のぞみ号等の自由席使用区間ごとに計算した額より低廉となる場合は、当該低廉となる額を特別急行料金とする。
    3. c 第57条第7項の規定により博多・鹿児島中央間の新幹線の2個以上の特別急行列車に乗車する場合に発売する自由席特急券に適用する自由席特急料金
      aの規定により計算した額とする。
    4. d 東京・小倉間の新幹線停車駅と新鳥栖鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間を乗車する場合に発売する自由席特急券(第57条第7項の規定により発売するものを含む。)に適用する自由席特急料金
      東京・博多間の乗車区間に対してa又はbの規定により計算した額と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対してa又はcの規定により計算した額とを合計した額とする。

例:新大阪→鹿児島中央の自由席特急料金の計算方法

 新大阪→博多の通常期指定席特急料金 5490円 (規則別表第2号ツ)

 新大阪→博多の自由席特急料金 5490-530=4960円 (規則第125条第1項第1号イ(ハ)a又はb)

 博多→鹿児島中央の通常期指定席特急料金 5030円 (規則別表第2号ウ)

 博多→鹿児島中央の自由席特急料金 5030-530=4500円 (規則第125条第1項第1号イ(ハ)a又はc)

 新大阪→鹿児島中央の自由席特急料金 4960+4500=9460円(規則第125条第1項第1号イ(ハ)d)

3.一方または両方の発着駅が小倉・新鳥栖・久留米となる特定特急券

 そもそも前提として、隣接する新幹線停車駅間をはじめとする一部駅間では特定特急券が発売され、自由席特急券よりも安価な料金が設定されている(規則第57条第1項第1号イ(ニ)a、規則第125条第1項第1号イ(ニ)a)。会社境界である博多駅周辺でも、小倉・博多間、博多・新鳥栖間及び博多・久留米間がその対象となっている。

 ここで、たとえば広島→久留米のような区間に対して、通常通りの計算で自由席特急料金を求めると、広島→博多と博多→久留米の自由席特急料金を合算した額となる。しかし、博多・久留米間では特定特急券の発売があるため、そのままでは博多で特急券を分割した方が安上がりとなる。これを防ぐため、規則第57条第1項第1号イ(ニ)b~dにより、

でも特定特急券を発売することとしている。料金は規則第125条第1項第1号イ(ニ)b~dにより、東京・博多間と博多・鹿児島中央間のそれぞれについて、規則第57条第1項第1号イ(ニ)aの特定特急券が発売される区間ではその特定特急料金を、そうでない区間では自由席特急料金を適用し、それらを合算する。

 旅客営業規則規則第125条第1項第1号イ(ニ)a~d

  1. (ニ)特定特急料金
    1. a 第57条第1項第1号ニの(イ)のaに定める区間に対する特定特急料金
      1. (a)当該区間営業キロが50キロメートル以下の場合
        880円とする。ただし、東京・大宮間にあっては、1,090円とし、北海道旅客鉄道会社線内にあっては、1,330円とし、東海旅客鉄道会社線内、西日本旅客鉄道会社線内(北陸新幹線を除く。)及び九州旅客鉄道会社線内にあっては、870円とする。
      2. (b)当該区間営業キロが50キロメートルを超える場合
        1,000円とする。ただし、北海道旅客鉄道会社線内にあっては、1,520円とし、東海旅客鉄道会社線内及び西日本旅客鉄道会社線内にあっては、990円とする。
    2. b 第57条第1項第1号ニの(イ)のbに定める区間に対する特定特急料金
      東京・博多間の乗車区間に対する別表第2号ツに定める額から530円を低減した額と博多・新鳥栖間又は博多・久留米間に対してaの規定により計算した額とを合計した額とする。
    3. c 第57条第1項第1号ニの(イ)のcに定める区間に対する特定特急料金
      小倉・博多間に対してaの規定により計算した額と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対する別表第2号ウに定める額から530円を低減した額とを合計した額とする。
    4. d 第57条第1項第1号ニの(イ)のdに定める区間に対する特定特急料金
      小倉・博多間に対してaの規定により計算した額と博多・新鳥栖間又は博多・久留米間に対してaの規定により計算した額とを合計した額とする。

例1:広島→久留米の特定特急料金の計算方法

 広島→博多の通常期指定席特急料金 3930円 (規則別表第2号ツ)

 広島→博多の「東京・博多間の乗車区間に対する別表第2号ツに定める額から530円を低減した額(規則第125条第1項第1号イ(ニ)b)」(=自由席特急料金) 3930-530=3400円 

 博多→久留米の特定特急料金 870円 (規則第125条第1項第1号イ(ニ)a(a)ただし書)

 広島→久留米の特定特急料金 3400+870=4270円(規則第125条第1項第1号イ(ニ)b)

例2:小倉→新鳥栖の特定特急料金の計算方法

 小倉→博多の特定特急料金 990円 (規則第125条第1項第1号イ(ニ)a(a)ただし書)

 博多→新鳥栖の特定特急料金 870円 (規則第125条第1項第1号イ(ニ)a(b)ただし書)

 小倉→新鳥栖の特定特急料金 990+870=1860円(規則第125条第1項第1号イ(ニ)d)

4.京都以東の東海道・山陽新幹線九州新幹線にまたがって発売される指定席特急券

 東海道・山陽新幹線九州新幹線にまたがる指定席特急券は、先述の通り規則第125条第1項第1号イ(イ)fの規定によって指定席特急料金を計算することになる。これはさらに2つに場合分けされており、京都以西から新鳥栖以南まで乗車する場合は規則第125条第1項第1号イ(イ)f(a)の規定によることになる。

 規則第125条第1項第1号イ(イ)f(a)では、東京・博多間の乗車区間についてa、b又はdの規定、博多・鹿児島中央間の乗車区間についてa又はeの規定により料金を計算することを定めている。aは一般的な規定、bはのぞみ号等に関する規定、d及びeは規則第57条第7項の規定により改札内で乗り継いだ場合の規定であり、あわせると全区間に対する指定席特急料金は東京・博多間の指定席特急料金と博多・鹿児島中央間の指定席特急料金の合算額ということになる。

 特別車両に乗車する区間がある場合は、東京・博多間と博多・鹿児島中央間のそれぞれについて特別車両の乗車区間が含まれるかを問題とし、含まれるならば530円引きとなる。

 一部区間自由席を使用する場合は、規則第127条第4項第2号の規定により、東京・博多間の全区間が自由席使用の場合は当該区間について自由席特急料金または特定特急料金を適用し、他方の区間について指定席特急料金を適用する。博多・鹿児島中央間の全区間が自由席利用である場合も同様である。東京・博多間と博多・鹿児島中央間の両方についてそれぞれ一部区間でも指定席を使用する場合は全区間について指定席特急料金を適用する。

旅客営業規則第125条

大人急行料金は、次の各号に定めるとおりとする。

  1. (1)特別急行料金
    1. イ 新幹線
      1. (イ)指定席特急料金(特別車両以外の個室に乗車する場合は、1人当りの料金とする。)
        1. a b、c、d、e、f、g、h、i及びj以外の指定席特急料金
          1. (a)(b)以外の指定席特急料金
            別表第2号ツ、ナ、ラ、ム、ウ、ノ及びオに定める料金とする。ただし、第57条の3第1項第1号の規定により発売するものにあっては、同表に定める料金から200円を低減した額とし、また、同条同項第2号の規定により発売するものにあっては、同表に定める料金に200円を、同条同項第3号の規定により発売するものにあっては、同表に定める料金に400円をそれぞれ加算した額とする。
          2. (b)第57条の3第3項の規定により発売する指定席特急券に適用する指定席特急料金
            (a)の規定により計算した額から530円を低減した額とする。
        2. b のぞみ号等(東京・博多間の新幹線停車駅相互間を乗車する場合に限る。)に対して適用する指定席特急料金
          1. (a)(b)以外の指定席特急料金
            別表第2号ネに定める料金とする。ただし、第57条の3第1項第1号の規定により発売するものにあっては、同表に定める料金から200円を低減した額とし、また、同条同項第2号の規定により発売するものにあっては、同表に定める料金に200円を、同条同項第3号の規定により発売するものにあっては、同表に定める料金に400円をそれぞれ加算した額とする。
          2. (b)第57条の3第3項の規定により発売する指定席特急券に適用する指定席特急料金
            (a)の規定により計算した額から530円を低減した額とする。
        3. c 省略
        4. d 第57条第7項の規定により東京・博多間の新幹線の2個以上の特別急行列車に乗車する場合に発売する指定席特急券に適用する指定席特急料金
          1. (a)のぞみ号等以外の新幹線の特別急行列車を乗り継いで乗車する場合
            aの規定により計算した額とする。
          2. (b)のぞみ号等を乗り継いで乗車する場合
            bの規定により計算した額とする。
          3. (c)のぞみ号等とのぞみ号等以外の新幹線の特別急行列車とを乗り継いで乗車する場合
            1. ① ②以外の指定席特急料金
              区間に対する別表第2号ツに定める額と、のぞみ号等の指定席を使用する区間に対する別表第2号ネに定める額から同区間に対する別表第2号ツに定める額を差し引いた額とを合計した額とする。この場合、のぞみ号等の指定席を使用する区間が複数となるときであって、最初にのぞみ号等の指定席を使用する区間から最後にのぞみ号等の指定席を使用する区間までの間を通じた区間をのぞみ号等の指定席使用区間とみなして計算した額が、のぞみ号等の指定席使用区間ごとに計算した額より低廉となる場合は、当該低廉となる額を特別急行料金とする。ただし、第57条の3第1項第1号の規定により発売するものにあっては、当該合計額から200円を低減した額とし、また、同条同項第2号の規定により発売するものにあっては、当該合計額に200円を、同条同項第3号の規定により発売するものにあっては、当該合計額に400円をそれぞれ加算した額とする。
            2. ② 第57条の3第3項の規定により発売する指定席特急券に適用する指定席特急料金
              ①の規定により計算した額から530円を低減した額とする。
        5. e 第57条第7項の規定により博多・鹿児島中央間の新幹線の2個以上の特別急行列車に乗車する場合に発売する指定席特急券に適用する指定席特急料金
          aの規定により計算した額とする。
        6. f 東京・小倉間の新幹線停車駅と新鳥栖鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間を乗車する場合に発売する指定席特急券(第57条第7項の規定により発売するものを含む。)に適用する指定席特急料金
          1. (a)(b)以外の指定席特急料金
            東京・博多間の乗車区間に対してa、b又はdの規定により計算した額と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対してa又はeの規定により計算した額とを合計した額とする。
          2. (b)省略
          3. 以下省略

 

規則第127条第4項

第57条第7項の規定により発売する指定席特急券であって、乗車区間の一部について座席を指定しないで発売する指定席特急券特別急行料金は次の各号に定めるとおりとする。

  1. (1)第2号以外の特別急行料金
    区間に対して指定席特急券を発売するものとみなした特別急行料金とする。この場合、のぞみ号等に乗車する場合にあっては、第2項の規定を準用する。
  2. (2)東京・京都間の新幹線停車駅と新鳥栖鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間に発売する指定席特急券特別急行料金
    1. イ ロ及びハ以外の特別急行料金
      第125条及び第1項、第2項又は前号の規定による、東京・博多間の乗車区間に対する指定席特急料金と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対する指定席特急料金とを合計した額とする。
    2. ロ 東京・博多間の乗車区間の全区間が立席区間又は自由席区間となる場合に発売する指定席特急券特別急行料金
      第125条及び第1項又は前号の規定による、東京・博多間の乗車区間に対する立席特急料金又は自由席特急料金(特定特急券を発売する区間にあっては特定特急料金。以下、この項において同じ。)と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対する指定席特急料金とを合計した額とする。
    3. ハ 博多・鹿児島中央間の乗車区間の全区間が立席区間又は自由席区間となる場合に発売する指定席特急券特別急行料金
      第125条及び第1項、第2項又は前号の規定による、東京・博多間の乗車区間に対する指定席特急料金と博多・鹿児島中央間の乗車区間に対する立席特急料金又は自由席特急料金とを合計した額とする。

例1:通常期に名古屋→新大阪間ひかり号普通車指定席・新大阪→熊本間さくら号普通車指定席に乗車する場合の計算方法

 名古屋→博多の通常期指定席特急料金 7030円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)a(a)、規則別表第2号ツ)

 博多→熊本の通常期指定席特急料金 3060円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)a(a)、規則別表第2号ウ)

 名古屋→熊本の指定席特急料金 7030+3060=10090円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)f(a))

例2:通常期に東京→博多間のぞみ号グリーン車指定席、博多→筑後船小屋間つばめ号普通車指定席に乗車する場合の計算方法

 東京→博多ののぞみ号等通常期指定席特急料金(特別車両に乗車する場合) 9730-530=9200円 (規則第57条の3第3項、第125条第1項第1号イ(イ)a(b)、規則別表第2号ネ)

 博多→筑後船小屋の通常期指定席特急料金 1790円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)a(a)、規則別表第2号ウ)

 東京→筑後船小屋の指定席特急料金 9200+1790=10990円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)f(a))

 ※別途東京→博多の特別車両料金(A)7790円が必要

例3:通常期に京都→新大阪間こだま号普通車自由席、新大阪→鹿児島中央間みずほ号グリーン車自由席に乗車する場合の計算方法

 京都→博多の通常期指定席特急料金 5920円 (規則別表第2号ツ)

 新大阪→博多の通常期指定席特急料金 5490円 (規則別表第2号ツ)

 新大阪→博多ののぞみ号等通常期指定席特急料金 6230円 (規則別表第2号ネ)

 京都→博多の指定席特急料金(全区間普通車に乗車する場合) 5920+(6230-5490)=6660円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)d(c)①)

 京都→博多の指定席特急料金(一部区間でも特別車両に乗車する場合) 6660-530=6130円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)d(c)②)

 博多→鹿児島中央の指定席特急料金(特別車両に乗車する場合) 5030-530=4500円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)a(b)、規則別表第2号ウ)

 京都→鹿児島中央の指定席特急料金 6130+4500=10630円

例4:通常期に名古屋→博多間ひかり号普通車指定席、博多→久留米間つばめ号普通車自由席に乗車する場合

 名古屋→博多の通常期指定席特急料金 7030円 (規則第125条第1項第1号イ(イ)a(a)、規則別表第2号ツ)

 博多→久留米の特定特急料金 870円 (規則第125条第1項第1号イ(ニ)a(a)ただし書)

 名古屋→久留米の指定席特急料金 7030+870=7900円(規則第127条第4項第2号ハ)

5.新大阪以西の山陽新幹線九州新幹線にまたがって発売される指定席特急券

(制作中)

6.運行不能時の例外的取扱い

(制作中)

7.まとめ

(制作中)

編集履歴

2023.04.07 序文および1.を公開

2023.04.07 2.を公開

2023.04.08 3.を公開 

2023.08.22 4.の途中まで公開

2023.09.02 4.の途中(例3)まで公開

2023.09.05 4.に関する規則の解釈誤りを修正し、公開

*1:「新幹線と新幹線以外の線区とを直通して運転する特別急行列車に当該線区をまたがって乗車する場合」について、その境界駅(具体的には福島駅及び秋田駅)で打ち切って特急券を発売するという例外は存在するが、会社境界で打ち切りとなる例は存在しない。

*2:新幹線単独区間である新八代・川内間。鹿児島本線(新幹線)との意味の違いに注意が必要。

*3:のぞみ号・みずほ号利用の場合に発売されるもの。規則上はのぞみ号・みずほ号の自由席特急券はその他の自由席特急券よりも高額な料金が設定されているが、これを事実上その他の列車の自由席特急券と同額とするために特定特急券が発売される。規則第184条第7項の規定によりこの特定特急券と自由席特急券は共用とすることができ、実際に「新幹線自由席特急券/特定特急券」と表示されて発売される。

「世界を拡げる」きんいろモザイク【13周年記念】

 本日2022年12月19日は、原悠衣先生の「きんいろモザイク」がはじめてゲスト掲載されたまんがタイムきららMAX2010年2月号の発売から13年となる記念の日です。

◆◆スペシャルゲスト◆◆
みなみ「かすみのそら」 坂ノ上高校に転校してきたかすみ。ちょっぴりはずかしがりやさんだけど、がんばります!
原悠衣きんいろモザイク
しのぶの元に英国からやってきたアリスですが……!? 
しろ「ふたりトラベル」
北海道に訪れたひなたち。そこには広大な自然が広がっていて……。

まんがタイムきらら - マガジンページ - まんがタイムきららMAX (dokidokivisual.com)

 忍が陽子や綾とともに通う学校に転校してきたアリス。そして物語にはカレンが加わって5人組となり、アニメ化を経て穂乃花や香奈もすっかり顔なじみ。そんなきんいろモザイクも、さみしいもので原作も去年の3月に終わり、最後の映画も上映終了からもう1年が過ぎてしまいました。

 しかし、物語の終わりは物語を読むことの終わりを意味しません。むしろ、これ以上の展開がないということから物語の全体を見通して読むことがはじめて可能になるわけです。それでは、14年目を迎えたきんいろモザイクを読んでいきましょう。

 

 劇場版「きんいろモザイク Thank you!!」の最後では、これまでのアニメの場面を切り取った映像とともにエドワード・エルガーの"Land of Hope and Glory"が流れます。

Land of Hope and Glory,
Mother of the Free,
How shall we extol thee,
Who are born of thee?
Wider still and wider
Shall thy bounds be set;
God, who made thee mighty,
Make thee mightier yet.
God, who made thee mighty,
Make thee mightier yet.

 さて、この歌詞中 "Wider still and wider shall thy bound be set;" の部分に着目してみましょう。日本語に訳すならば「広く、よりいっそう広くあなたの国境線は引かれるだろう」というあたりになりましょうか。この曲が作られた当時の大英帝国の拡張主義的な政策の反映ということもできます。

 とはいえ、この曲がきんいろモザイクで用いられたというところから、きんいろモザイク的な解釈もしてみたいところです。国だから国境線という言い方をしたけれど、boundの意味としては境界。ようするに内側として動ける領域を広げていくということになります。そうすれば、きんいろモザイクという物語のなかで忍たちが自分たちの世界とする範囲を拡げていく、というように考えられるのではないでしょうか。

 さて、そうした観点からきんいろモザイクを読んでみることにしましょう。

綾の場合

 忍と陽子のいる中学校に転校してきた綾。転校してすぐのときの様子は1巻89ページで語られています。わりと積極的にかかわりにいこうとした忍は「お お気遣いなく」と綾に遠慮されてしまい、内向的な性格が見えてきます。そんな綾は陽子に「無理矢理引っ張って」いかれ、結果として忍や陽子と親密になることとなります。

 そうした綾に転機が訪れるのは高校進学が視野に入ってくるころ。Pretty Days の描写に従えば、綾は親や先生にもすすめられていた水蓮女学院*1というお嬢様学校をめざし、実際に合格しました。一方、忍と陽子は綾にすすめられた県立もえぎ高校を受けることにし、綾の指導を受けながら必死の勉強を続け、無事にふたりとも合格することができました。一方で綾ももえぎ高校を出願しており受験に訪れ合格していました。

 ここで綾にはふたつの選択肢が与えられました。親や先生にもすすめられ、実際レベルが高いとされる水蓮女学院に通う。あるいは忍や陽子のいるもえぎ高校に通う。結果として綾はみずから後者を選び、忍や陽子とともにアリスやカレン、穂乃花や香奈、烏丸先生や久世橋先生のいる高校生活を送ることができたのです。もしかすればですが、水蓮女学院に通っていればもとの内向きな綾に戻ってしまっていたのかもしれません。

 以上のように、綾は最初は陽子の手で引っ張られる形で受動的に世界を拡げ、それがもえぎ高校に行くという形で能動的に世界を拡げる行動へとつながったのです。

カレンの場合

 イギリスでのカレンの世界といえばアリスでした。物語のなかでイギリスは具体的な形をとらない場所として扱われていて、そこにいるのはアリスとカレンにその家族ぐらい。むろん友人がまったくいなかったわけではなく原悠衣先生によってはほとんど語られなかっただけという部分もありましょうが、それにしてもアリスとカレン以外の話はほとんどなく、唯一無二に近い、それこそカレンがアリスを「ファーストラブ」の相手と言ってしまうような大事な存在だったといえるでしょう。

 そんなカレンがアリスを追ってイギリスからやってきた直後、カレンはすぐにアリスの友人である忍・陽子・綾と仲良くなりました。しかし1巻88ページ以降*2、クラスで疎外感を得ているという完乗を吐露します。そうしたところについて忍たちに相談をして、最終的に自らホームルームで前に立って仲良くなりたい、気軽に話しかけてと話しました。

 その結果か、カレンのもとにはひとが集まるようになっていきました。休み時間のカレンにはお菓子が集まるようになり、2年生になってからは久世橋先生という存在に出会います。そして3年生の文化祭では出し物としてカレンちゃんカフェを行うことがクラスのみんなに受け入れられ、大盛況となりました。さらにいえば高校生活を通して松原穂乃花という新しい大切な友人に出会いました。そうしたさまざまな経験から、カレンは忍とともにイギリスへ戻るアリスの決断を尊重しつつ、自らもアリスから離れて日本に残るという決断をすることができたのです。

 以上のように、カレンは最初に能動的に動いた結果として物事が自然にうまく回り、世界を拡げることにつながったといえます。

 

 ここまで綾とカレンというふたつの具体例を通してきんいろモザイクの「世界を拡げる」ようすを見てきたわけですが、この2例は対照的なものであるといえます。最初に受け身な行動から自分から動くことにつながった綾、最初に自ら動いて世界を拡げやすい環境を作ったカレン。この反対ともいえるような「世界を拡げる」ありかたを見せることで、多様性をもつ読者が共感しやすい構造として作品を作り上げている。みなさんがきんいろモザイクを好きになれるのもそういうところから始まっているのかもしれません。

 今回は綾とカレンに絞ってお伝えしましたが、もちろんきんいろモザイクという作品の世界の拡げ方はそれに限られるものではありません。物語の根幹をなす忍の成長がその最たるものでしょう。みなさんも「世界を拡げる」という観点から14年目を迎えたきんいろモザイクを読んでみてはいかがでしょうか?

*1:わかば*ガールの若葉はこの学校に落ちた。

*2:さきほどの綾についての回想シーンもこの延長でのもの

「はやく猫になりたい」掲載に際して、きらら無印掲載のシェイミン先生のゲスト作品を振り返る

 2022年9月9日の日付が変わってすぐ、私のもとにとても喜ばしい知らせが舞い降りました。

 待ちに待ったシェイミン先生のゲスト作品がこの日発売されるまんがタイムきらら2022年10月号に掲載されているということだったのです。

 シェイミ(Twitter:@shaymin0902)先生の作品は2021年6月号から8月号に「バス停のお姫様」が、2022年2月号から4月号に「学校帰りのエトランゼ」が掲載されており*1、私はそれを読んでシェイミン先生の描き出す世界に引き込まれてしまいました。それでシェイミン先生の新作である「はやく猫になりたい」が掲載された今、改めてシェイミン先生の過去の作品の魅力を紹介することによってひとりでも多くの方に「はやく猫になりたい」を、そして「学校帰りのエトランゼ」「バス停のお姫様」を好きになってもらいたいと考え、この記事を書いています。

バス停のお姫様

 主人公である小蜜は帰りのバス停でいつも見かける他校の女の子に心惹かれ、仲良くなりたいと願う。けれども小蜜はこれまで他人に自分から話しかけたことのないほどの人見知り。そんな人見知りを克服したいとも思う小蜜は、親友の茜にも励まされ、意を決して「バス停のお姫様」美冬に声をかける…といった物語。

 「バス停のお姫様」のタイトル通り、本作においてはバス停が重要な空間として用いられています。バスに乗るためには使わなければならず*2、一方でバスを使わないひとにも歩道としての役割を果たす空間であるバス停。異なる目的を持った人間が空間を共有する場であるバス停で、通う学校も異なる小蜜と美冬が出会ったわけです。

 また、バス停にやってくる乗り物であるバスも物語に適合した存在であるといえます。バスは基本的には時刻表通りにやってきてバス停から乗客を乗せていきますが、ほかの車と共に道路を走るという性質上ときには遅れて到着することにもなり、安定しません。このため小蜜はバス停で美冬をいつも見かけることができ、しかし小蜜が美冬に話しかけてもその会話はそう長くない時間で、しかも時として極端に短い時間で中断されてしまうわけです。

 バス停が開かれた空間であるならば、対照的なのは小蜜と茜の通う学校です。学校にはその学校の生徒をはじめとする関係者しか立ち寄ることができず、美冬のいない空間としてもっぱら小蜜と茜のやりとりが描かれます。

 人見知りの小蜜に、同じ高校に通う幼なじみで小蜜の唯一の友人であった茜。小蜜は開かれた空間であるバス停で美冬に接し、関係が形作られ深まっていく。そんな様子が描かれた素晴らしい作品です。掲載号数・ページは以下の通りですので、該当のまんがタイムきららをお持ちの方はそれで、持っていないという方もなんとかして読んでいただきたいものです。

学校帰りのエトランゼ

  高校生になって3週間、熱を出しこれまで学校に行けなかったために人間関係の構築ができなかった飛鳥は海へ向かい、そこで放課後によく寄り道をするという少女・琴美に出会う。ふたりは同じ高校の生徒で、学校で再び出会ってからは一緒に放課後の寄り道をするようになる…といった物語。

 それぞれの回でさまざまな場所への寄り道をしたふたり。第1話では遠くの海まで行って学校というひとつの世界がちっぽけなものであることに気づいたように、それぞれの場所、それぞれの状況とうまく対応した気づきを得て飛鳥と琴美の関係が発展していく様子が描かれています。

 そんな「学校帰りのエトランゼ」の掲載号数・ページは以下の通りです。電子書籍として雑誌を買うこともいまならできましょうから、ぜひ読んでいただきたいなと思います。

 ちなみに、「学校帰りのエトランゼ」では鎌倉をはじめとした実際の土地の風景が描かれています。以前それらの土地を訪問したときの記事がありますので、物語を読んだあとにでもどうぞ。

tohokubu-hctr.hatenablog.com

 さて、ここまでシェイミン先生のまんがタイムきららにおける過去2作を振り返ってきたわけですが、私がシェイミン先生の作品を読んで感じたのは、空間を通して関係を描くのがとてもきれいだなというものでした。「バス停のお姫様」であればバス停と学校、「学校帰りのエトランゼ」であれば放課後に寄り道をする先の具体的な場所。そうした空間のもつ特徴を存分に生かして関係の構築を描き出していて、そうして得られた関係の描写に私は心を惹かれたのです。

 そして今回の「はやく猫になりたい」。生まれ変わったら猫になりたいという願い事をそれぞれに持ち、願いが叶うという噂を聞いて同じ神社に毎日お参りをする高校生と小学生。高校生は自分と同じで毎日神社に来ている小学生のことが気になり声をかけてみると、願い事は同じでもその内実は異なり…というところから物語が動き出します。

 現時点で第1話が以下の通り掲載されたところですので、みなさんもまんがタイムきららを買ってシェイミン先生の描き出す世界に触れてみてはいかがでしょうか。そしてよければアンケートに感想を書いて編集部に送りましょう。

*1:きらら4誌すべてに広げるとまんがタイムきららフォワード2020年9月号に「神崎さんちのちっちゃい姉」が掲載されていますが、私はまだ読めていないので触れることができません。読みたい。

*2:経路上の停車可能な区間のどこでも乗降可能なフリー乗降区間を除く。大型の市営バスが走るほどの都会でフリー乗降区間があるとは考えにくいが

まんがタイムきらら2022年2~4月号掲載「学校帰りのエトランゼ」の舞台を探訪

連載おめでとうございます。

連載終了が非常に悲しいです。

 以前の私はあまり作品の舞台の探訪をするということが好きではなかったのですが、最近はそうでもなく楽しく思えるようになってきました。まちあるき自体が好きになったということかもしれませんが。さて本題に入りましょう。

「学校帰りのエトランゼ」とは

 まんがタイムきらら2022年2月号から4月号において掲載されていたシェイミン(Twitter:@shaymin0902)先生によるゲスト作品です。とても好きなので私はTwitter上でよく言及しています。そんな素敵な作品に導かれて私も描かれた舞台へと足を運びました。

第1話(2月号) 

 「…海、見たいなあ…」とてもよい言葉ですよね。

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 ということで1月14日の昼前ごろに鎌倉にやってきました。思い切りのよさが時としてものごとをよい方向に導くものです。

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まんがタイムきらら2022年2月号193ページ5コマ目

 そして駅を出て、

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まんがタイムきらら2022年2月号193ページ6コマ目

道路の真ん中にそびえる鳥居*1を目にし、さらに進んで国道を渡れば

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まんがタイムきらら2022年2月号193ページ7コマ目

そこはもう海。

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まんがタイムきらら2022年2月号194ページ1コマ目

 どうして私はほんの少し前に第1話が掲載されたばかりのゲスト作品の舞台まで来てしまったんでしょうか……いや、そうしたいからそうしたまでで実際満足しているんですが。

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まんがタイムきらら2022年2月号194ページ4コマ目?

 ともあれ、海を見にここまで来た高校1年生・清洲飛鳥は砂浜に座って海のほうを向きつつ、出だしからつまづいてしまった自らの高校生活の前途を悲観してしまっていました。そんな彼女のそばにもうひとりの女の子が現れ…

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まんがタイムきらら2022年2月号197ページ1コマ目

「こうして眺めてるとさ、学校ってなんてちっぽけな世界なんだろうって思うんだ」

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 ここで一区切り、江ノ電に乗って小路綾の思想になりつつ次の場所へ。

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まんがタイムきらら2022年2月号198ページ5コマ目

 

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まんがタイムきらら2022年2月号198ページ6コマ目

 学校を出るときとは違って、笑顔になった飛鳥。

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まんがタイムきらら2022年2月号193ページ3コマ目

 それもふと海が見たいと、そう願ったことから始まったのでした。

第2話(3月号) 

 

 冬もようやく終わりに近づこうとする2月21日、新潟で開催された「劇場版「きんいろモザイク Thank you!!」展」から帰った私はそのまま武蔵小杉の駅にたどり着いていました。

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 タワーマンションの高さに驚くなどしてしばらく歩いていると、

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現れたのは並木道。

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まんがタイムきらら2022年3月号186ページ2コマ目

 飛鳥と海で出会った少女、弘前琴美が並んで歩いているようすが浮かんでくるもの。

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 道中の川崎木月郵便局でこの月のきらら無印のアンケート*2を差し出すなどしつつ、

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まんがタイムきらら2022年3月号186ページ5コマ目

たどり着いたのは…

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まんがタイムきらら2022年3月号186ページ6コマ目

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まんがタイムきらら2022年3月号186ページ7コマ目

 桜の名所。とはいえ時期ではないので桜が咲いているわけではなく。でも春には満開の桜がきっと見られるんですよね。

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まんがタイムきらら2022年3月号187ページ6コマ目

「身近な街だけは特別に感じるんだよね」

 私も身近なところに「特別」を見つけたいな、そう思いました。

第3話(4月号)

 

 前に来たときよりは暖かくなったような3月11日、出てきた場所をあまり見つけられていないながらも今月もと訪れてみる。

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まんがタイムきらら2022年4月号187ページ3コマ目

 なるほどブレーメンの音楽隊、といったようす。いい雰囲気の商店街。

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まんがタイムきらら2022年4月号187ページ6コマ目

食物連鎖

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 ちなみにこのあたりにはほかにも像があったりします。いいですね。

桜の時期に

 もう少し時を進めれば桜の季節。満開の知らせが届いたならばと3月29日、ふたたび訪れてみる。

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まんがタイムきらら2022年3月号186ページ6コマ目

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まんがタイムきらら2022年3月号186ページ7コマ目

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まんがタイムきらら2022年3月号187ページ6コマ目

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 すっかり仲良くなった飛鳥と琴美は、きっと1年後の春に今度はこの満開の桜をふたりで見るんだろうなと思うと、私もつられて素敵な気持ちになるのでした。

*1:鶴岡八幡宮一の鳥居。通っているこの道は鶴岡八幡宮の参道である若宮大路

*2:もちろん「学校帰りのエトランゼ」についてたくさん書きました。

ブログを開設しました

 こんにちは。Twitterアカウント「長岡りみや」(@nagaok_arimiya)を保有している人間です。ここではTwitterに書くにはなじまない事項を書くなどすると思います。

なぜブログを開設するのか

という投稿があったので、所有する非公開アカウントで大量*1のリプライを行っていたところ、

アカウントが一発で永久凍結されました*2。そのため、本体のTwitterアカウントがいつ凍結されるかもわからない恐怖に怯えつつTwitterを行わねばならない事態となり、危機管理の観点からその他のサービスへの分散を行うことを決めました。

 

 (追記 2022/12/13)

 昨日申請を行ったところ、およそ3時間でアカウントの凍結が解除されていました。そうなんですね。

 (追記終わり)

 

 それにしてもしばうみ先生、自身のツイートのせいで他人のTwitterアカウントに制限がかかるという事態が過去にも発生していたような…なつかしい思い出ですね。当時私は制限にかかることを回避したというのに今回はそうはいかなかった。

 

というわけで今後はこちらも活用しようと思っています。よろしくお願いします。

*1:18件ほど23件でした

*2:最後のツイートは「あった〜〜! 二人共あったよ綾〜〜!」でした。この陽子の台詞だけで語りたいことはいくらかあるのですが、それはそのうち。